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『落日の栄光』は輝くか?!

英国への反感はないが,エドワード8世(ウインザー公)の憂いが気掛かりだ.チャーチルの言いなりだったジョージ6世を賛美する映画にも異和感がある.英国は国際金融資本と連邦(コモンウェルス)のコネクションでアメリカ支配層も籠絡していた.ロンドン(シティー)は世界の首都の様だが,他国の「自給自足」を認めたくないらしく未だに日独が米英に盾ついた歴史が問題になる.

ドイツは1936年の第二次4ヶ年計画で自給自足を目指した.

「この計画では,食糧,燃料,繊維製品,ゴムなどの原料を,ドイツで生産するというのだ.経済封鎖をされたときに困らないように,重要な物資はすべて自前で賄える「自給自足経済」を作ろうとしたわけである」

「イギリスはドイツが第二次4ヶ年計画を発表すると,陰に陽に妨害を加えてきた.そして「ドイツがこの計画を中止すれば,借款をする用意がある」という提案も行ってきた.外貨不足に陥っているドイツに対して「金を貸すから自給自足をやめろ」ということである.しかしヒトラーはそれには応じなかった.イギリスの提案に対して次のように切り捨てている.「第二次4ヶ年計画についてイギリスがもっとも恐れたのは,ドイツが自給自足となってイギリスの都合では動かなくなることだった.われわれがこういう政策をとれば,必然的に彼らの植民地での利益の減少を招くからである」」(武田知弘著「ヒトラーケインズ祥伝社)

イギリスとその背後のアメリカはドイツやその同盟国の自給自足を嫌悪したのではないのか?!

「1933年6月9日,「ニュープラン」と呼ばれるナチス・ドイツの新しい貿易清算システムが始まった.ドイツが負っている対外債務は,民間企業のもの公的機関のものを問わず,すべてドイツ帝国銀行が一元管理することになった.外国企業に対して債務のある者は,相手に直接返済するのではなく,ドイツ帝国銀行に返済するのだ.ドイツ帝国銀行は預かった返済金をそのまま外国の債権者に払うのではなく,利子を半分割り引いた上元本の50%を現金で払い,残りは特別マルクで支払われることになっていた」(「ヒトラーの経済政策」)

ドイツはベルサイユ条約を破棄しマルク通貨を自立させ,管理通貨制度とバーター方式で貿易拡大を図った.米英の債権,金本位制の秩序からの離脱を図った為敵視さる(2009年迄ベルサイユ条約の賠償を払い続けた).

第2次大戦前,恋愛スキャンダルで退位したウインザー公(エドワード8世)はチャーチルらと不仲だった.公は母がドイツ人だった事もあり,ヒトラーのファンでイギリスの対独宥和政策を支持したが,ユダヤ系,チャーチルの反発を買う.英国第一級の歴史家は公にはイギリスの運命を洞察する慧眼があり,帝国の凋落に悩み,対独戦争に疑念を抱き,退位後も祖国の運命を憂いたと指摘する.

〔デヴィッド・アーヴィング「ヒトラーの戦争」(ハヤカワ文庫)〕

イデオロギー上の理想主義に煩わされなかったウインザー公は1940年7月に,戦争がつづいているのは,もっぱら一部のイギリスの政治家の面子を救おうとするため-たとえそのために国と帝国が破滅に陥っても-ではないのかと思った.他の人たちはアドルフ・ヒトラーナチスとの妥協はあり得ないと独断的に論じた.だが,イギリスの指導者はほんとうにそう信じていたのだろうか」

フライベルク大学のベルント・マルチン博士が明らかにしたところによると1939年10月イギリスとドイツの間に和平についての秘密交渉が続けられていたということだが,その交渉についてのサー・ウィンストン・チャーチルのファイルは,奇妙なことに21世紀まで公開されないということになっている.同様な交渉が1940年6月にも行われていたが,この時はチャーチル自身さえ閣議で代償が正しいものならヒトラーと取引する用意があるといっている」

ヒトラーの行動,動機,見解に関しここに明らかにされた事実は,新たな論議の基礎となってほしい.アメリカ人はパール・ハーバーに至る数ヶ月についての多くの新しい事実を知るだろう.フランス人は敗れた祖国に対するヒトラーの扱いはムッソリーニの希望を尊重したというよりも第一次世界大戦後のドイツに対するフランス人の態度についての記憶に影響されていたという新たな証拠を見出だすだろう」

「例えば私はヒトラーに提出されたと同じ秘密情報資料を収集しようと大いに努力した.それは電話を盗聴し,国際無線通信を解読したゲーリングの情報調査局の数少ない傍受情報といったものである.そこから例えば1940年7月ヒトラースターリンの意図を知って愕然としたことが説明される」

児島襄氏「誤算の論理」に「王たちの誤算」という章がある.親独派エドワード八世は「チャーチルの謀略」(同表題の書あり)に嵌められた可能性.

■ロンドン・テロ事件で追悼集会 市長「立ち上がろう」

(朝日新聞デジタル - 03月24日 11:05)