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身分

早朝から青空を掻き裂く如き爆音を轟かせ北へ向かった機影でございました

自衛隊の戦闘機か米軍の爆撃機か判別できない程の高空を超速で飛んでった今朝でございましたが訓練とはとても思えませぬ

なんにしても下界では満開の桜の花が散りヌルヲでございますな

芝生や歩道に落ちた薄桃色の花びらが大仰に云えば桜の絨毯の如く様相を見せて春爛漫を思わせる今朝でもございました

それはそれとして昨日はお家主様の知り合いのお葬式がございましたが居候の身分とは無関係にアタシは全く知らぬ仏様でございます

二か月ほど前から床に臥せたアタシよりご高齢のご近所の方なのでありました

四十年ほど前に相模ッ原の一隅に引っ越した頃には当然のコトながらご近所さんも皆さん若かったのでございますが今では・・・

限界集落と呼べるのは新宿の戸山団地や多摩ニュータウンだけではございませぬ

以前にも呑んだくれ日記に書き残した嘆きではございますが相模ッ原の一隅で暮らしておりますと子供の声を聞かないのが日常生活

ましてや泣くのが商売の赤ん坊の声など全く!でございますのに幼稚園だけは近くに三つも存在するのは昭和元禄の名残でございましょうか

幼稚園前ではお迎えの親御さんの数が多い割に園児の姿が少ないってのはド〜したワケでありましょう

そんなコトより新潮文庫「蒼氓」の第一話「蒼氓」を昨日で読み終えたアタシでございます

当時の政府の移民政策で北海道から九州までの移民希望者千人近くの出発前十日間の収容所生活を描いたのが第一話でございます

移民希望者九割程以上が百姓出の貧乏家族なので収容所の一汁一菜の食事や超劣悪な衣住空間にも愚痴は言わない

昭和十年頃の百姓は我慢強かったと書き残したいのかと思えば食事も収容所もブラジルへの船旅も天皇陛下のおカネの御陰だと手を合わす

収容所生活では身分争い謂わば階級闘争はほとんど見られない第一話でございますが移民船での生活を描いた第二話では嫌と云うほど書かれておりまする

四十年程前には国鉄の在来線でも一等客室から三等客室までの身分格差が存在した時代でございました

現代人は階級闘争をすっかり忘れておりますが実は巧妙に現存してるのをテレビ芸能が忘れさせてるのでございますな実際に

五十年前に大宅ソーイチが喝破した言葉「テレビは一億総白痴化させる」とはお見事一本!でございました